足元から顔までを美しくするボディワーカーの森拓郎です。
ここ連続で糖質制限、低炭水化物についてお話をしてきました。
過去の内容はこちら
・糖質制限ダイエットについて
・糖質制限ダイエット。アトキンス・ダイエットの危険性とは
・2014年現代の糖質制限はどうなっている?
ここまでの総括としては、
本来、推奨されている三大栄養素のバランスは
炭水化物60% たんぱく質15% 脂質25% です。
これは、日本の厚生労働省から出ている数字で、日本人がご飯とおかずと味噌汁といった一般的な食事「一汁三菜」をしていると、自然とこの数字になります。
この、一般的な食事から炭水化物だけをなくす・・という方法をとってしまうと、単純に摂取カロリー自体が減ってしまうので、頭痛や悪心、低血糖状態に陥りやすくなり、身体の免疫も急激に下がります。体重が落ちるといっても、これは最も推奨されることではありません。
糖質制限や低炭水化物ダイエットでいわれるのは、炭水化物を減らした分、他のたんぱく質や脂質の摂取量を増やして総摂取カロリーを補いましょうというのが通常です。
そうすると、摂取カロリーが変わっていないのにもかかわらず血糖値の上昇は抑えられるため、体脂肪が蓄えられにくくなるばかりでなく、糖質メインのエネルギー回路を脂質メインに切り替え、体脂肪をどんどんエネルギーとして使える身体になれるという太っている人にとっては一石二鳥の現象が起こり、簡単に体重が落ちていく・・・というものでした。
ただやはり、痩せる原理としては簡単なのですが、炭水化物のために置き換えた食事の内容によって健康リスクがどんどん悪化するばかりか、一生それをやっていく覚悟がなければ、止めたときにリバウンドが待っている・・ということも考えられます。
つまり、本来糖尿病患者のための食事法である糖質制限食を、一般のダイエットの人のために無理して行うのはあまり現実的ではないということです。
すみません。長くなってしまいました。
さて、今回説明するのは、パレオダイエットというアメリカで少し話題になっていりうダイエット方法です。この食事法は、私達の祖先が狩猟採集をしていた時代の食事内容こそが、人間本来の1番バランスのとれた食事なのだという主張です。
日本でこの狩猟採集時代の食事法を勧めている一番有名な人物は崎谷博征先生。
私達人類が農耕を始め、穀物を主食とするようになったのは約1万年前です。そして、現代ではガン、認知症、心筋梗塞、リウマチ、膠原病などの慢性病が蔓延し、確実な治療法がないままになっています。
しかし、崎谷先生によると、そのような病気は農耕が始まる1万年以上前には存在していなかったとのことです。
つまり、原因は今私達が当たり前に食している食文化が、様々なストレスを与えているのではないかということです。
シンプルにいうと、狩猟採集時代に食べていた、肉(赤身)や魚介類、野菜、果物を食べて、濃厚革命以降に食べるようになった穀物や豆類、乳製品、加工食品を食べないようにする・・・
というのがパレオダイエットというものです。
元々このパレオダイエットは、アメリカ・コロラド大学のコーダイン博士が提唱している理論なのですが、実際この内容だと日本で入手できる食材などが少ないため、それを日本流にアレンジしたものが、崎谷式パレオ食事法ということらしいです。
この食事法では、穀物・豆類・乳製品・加工食品こそが身体の不調の原因だとし、これらの食材に豊富に含まれている栄養素は吸収が悪い上に、身体から必要な栄養素を奪ってしまう作用があると言っています。
また、これらの食品が腸内を荒らす原因となり、身体の消化機能や免疫機能を低下させ、身体の炎症作用をどんどん強くしてしまうことが原因だとのことです。
具体的な内容は崎谷先生の著書をご覧になっていただきたいのですが、穀物や豆類は私がおすすめしているマゴワヤサシイ+玄米にそのまま合致してしまうため、重要なタンパク源と主食を否定されています。
また、腸内が荒れてしまうというのはリーキーガット症候群という以前ブログにも書いた内容なのですが、その原因こそ上記の4品目だということを主張されています。
また、本を読むとわかりますが、ものすごくエビデンスで固められたお話なので、私のような人間にはなかなかそれを科学的に否定する材料はないんですね。
じゃあパレオダイエットマンセー!というと、一般の人と同じになってしまうので・・・。
特にそれがしっかり納得いくまでは真っ向否定もできないと思っています。
なぜ、糖質制限の話にこのパレオダイエットが出てきたのかというと、この方法でも結局はそこそこの糖質制限をすることになります。
そもそも、穀物はいらないと言っているくらいですからね。
ちなみに、パレオダイエットでの三大栄養素のバランスは炭水化物20%たんぱく質30%脂質50%です。これは江部康二先生の糖質制限ダイエットでいうと、スタンダード糖質制限とスーパー糖質制限の間くらいに相当します(江部康二先生の糖質制限ダイエットについては前回の記事)
そもそも、現在いわれている炭水化物60%たんぱく質15%脂質25%という数字には科学的根拠というものはなく、ただ単に私達の慣れ親しんだ食事の内容をみてみたらこんな感じだったというだけだとも言われています。
つまり、もっと研究が進んでいけば、本来私達が何をどれくらい食べればいいかがもっと明確にわかるはずで、実際それを突き止めた結果がパレオダイエットだということです。
まぁ、そこまで言われたらグウの音も言えないところなのですが・・。
ちなみに崎谷先生は、糖質制限食はパレオダイエットの食事の中から炭水化物を減らすということだけを切り取ったものであるとおっしゃっています。
一番始めにお話したアトキンスダイエット(その記事)は極端な糖質制限。一般的な糖質制限が現代の糖質制限食であるとのことです。
この現代の糖質制限とパレオダイエットの大きな違いは、先ほどの4つの制限もそうですが、たんぱく質と脂質の割合にも出てきます。
というのも、たんぱく質の摂取量が多いということだけでなく、食べるものがかなり糖質制限ダイエットより細かく設定されています。
とはいえ、それだけしかダメ!というガチガチルールではなく、パレオダイエットも糖質制限と同じように3段階のレベル分けがされています。
・ナチュラルパレオ(基本ルールを80%守る)
・フィットネスパレオ(基本ルールを90%守る)
・メディカルパレオ(基本ルールを100%)
基本ルールは
・「赤肉、鶏肉、魚介類、野菜、果物、発酵食品」中心の食事
・「穀物・豆類(発酵食品を除く)・乳製品・加工食品」を摂らない
です。ナチュラルパレオの場合、週7日間毎日3食だとすると21回の食事がありますが、そのうち8割の16回はこの食事を守り、残りの5回は好きな食事を食べるというルールです。
さらに厳しくしたフィットネスパレオの場合は、好きな食事は2回だけ。何かの病気で、それをこの食事法によって改善がしたい場合は100%守る・・という感じですね。
実際、私はやったことがないので、この方法が正しいとは言えませんが、本を読んでいるとさすがにエビデンスを元にお話をされるので、これまた納得がいってしまいます。お医者様の本などは、こういうところがしっかりしている人は本当にいいですね。
ただ、エビデンスといってもどういうレベルの研究結果かによりますから、情報が上手く操作されている場合もあります。
なので、こうだから正しい!と一言に言えないのが実際です。妙に説得力があって、それを反論するだけの知識も知恵もないから仕方がないのですが。
さぁ、そこで皆さんが聞きたいのは・・
じゃあどうしたらいいの??
に尽きるのではないでしょうか・・・
それはまた次回にお話ししましょう。
私の著書です。
「運動指導者が断言!ダイエットは運動1割・食事9割」
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